新型2機種
ネタ切れ続きなので、代わりに届出車*1の話題である。
富士重工は、R2派生で「ステラ」を発売。
ダイハツは事実上のMAX後継として、SKツアラーじゃなかった「ソニカ」を発売。
注目すべきは、ダイハツのKF系パワーユニットが始めて過給付となった点だろう。
昨年後半の発表車種あたりから、セールストークにロングストローク化を燃費向上の柱としているダイハツであるが、このところの石油燃料高等の折、23km/L 21.5km/L、64PS(!)、レギュラーガソリン(!!)と迫られると正直、合理的に軽四を選ばない理由が見当たらなくなってくるのである。*2
10・15モード燃費に限って話を進めると、先代のEF系過給付パワーユニットを積むムーヴをカタログ値で比較してみると、ムーヴは18.6km/l(ターボ/FF/AT車)と発表されており、文字通り世代が違うといった趣である。
種明かしとなるべく、カタログ発表値だけでできる限り推測してみよう。
燃費に効くパラメーターとは、第一に重量*3である。ひところのカタログ値で1tオーバー当たり前の世界だったこのクラスも現行機種では軽量化が進み、ステラ(FF/過給付)で890kg、三菱i(RR/過給付)で900kgといったあたりの数値であり、ソニカはFFで820kgと背高系パッケージングでない点を差し引いても軽量だ。もし、余分に大人二人(110kg)を乗せて10・15モード燃費測定すれば、2.5km/lは悪化するだろう。
第二に効くパラメーターはパワートレイン損失の和であり、5MT≦CVT<4AT<3AT また 2WD<AWDの順で悪化する。ただし、5MTがカタログ値の燃費に効く理由は、単にトランスミッション自体が軽量であるからという点に尽きるわけで、広報値で単体重量58kgという軽量なCVTを採用したソニカでは、MT比で燃費に現れる差は誤差程度ではなかろうか。4ATのムーヴ(NA)で19.4km/l、5MTで23.0km/l*4なので3.6km/lの差が出ることから、CVT化で15%弱、3km/l弱は燃費向上が実現できているのだろう。
第三は、過給の有無や圧縮比、燃料供給装置など、原動機自体と補機の性能によるところだが、現在の水準では緩加減速の組み合わせでしかない10・15モードでは、過給の有無は差が出にくいようだ。
KE型のミラとKF型のエッセを比較すると、ミラ(FF/3AT/720kg)は20km/l、エッセ(FF/3AT/710kg)は21km/lと、5%弱の燃費向上がある。
過給付となると、ターボとインタークーラー等で40kg前後は重量増があるため、実用燃費でのNA・過給付の燃費差とはかけ離れた値であるが、〜0.5km/l程度は違いが出る*5ようだ。
これら値の積み上げをしてみると、ムーヴと比較してトランスミッションで10%、エンジンで4〜6%、車体で3〜5%程度の燃費向上なのであろう。
これらバランスよく改善の積み上げがなされている点が美点だと言える。
所詮3発の0.66lなので回転音は安っぽく、フィーリングをどれだけ隠せるかは音振対策技術の見せ所ではあるのだが、VI至上命題のトヨタグループにおいては軽を4気筒にはできないのだろう。
弱点としては、重心が下がったとはいえ、従前通りのトーションビーム式リアサスペンションを多少固めて14ないし15インチのホイールを履かせている点、リアブレーキが相変わらずドラムのまんまである点が挙げられる。
印象としては、パッケージングと言う車体の素性におんぶしてもらい、足を手抜き&ケチったなという感じである。
このあたりをちゃんとやると乗り味もコペン並みになって、代わりに価格もスペシャルな軽自動車となってしまうジレンマがあるのだろう。
現車を拝見せずに言える範囲はこの程度であろう。